家族のうつ病を防ごう
うつ病の人への接し方と対処法
うつ病などで、不眠があるときにアルコールを飲もうとするのは、日本人だけだそうです。
他の国では、ホットミルクやカモミールティを飲んだり、睡眠薬で対処しているようです。いずれにしても周囲の人が、安易に「悩み・不眠→酒で対処」という図式で支援しないことです。
そのような事例に接するたび、酒の怖さを痛感するとともに、このことをぜひ多くの人に知ってもらいたいと思うのです。
うつ状態になりそのしがみつきとしてある行為が繰り返されるのですが、そのような人は、うつになる前はその行為にしがみついていなかったはずです。
ところが中には、うつ病になる以前からある行為を繰り返している人もいるでしょう。借金癖や、ギャンブル癖、買い物癖、異性への過度の依存癖などの場合です。
この場合も、これはもともとの癖だから、やはりその癖を治さないと「死にたい気持ち」は収まらないとは考えないでください。
その人は、癖はあっても、以前から死にたい気持ちが常に存在したわけではないでしょう。
ですからそのような場合でも、うつ病への対処を優先させる接し方にするのです。うつ状態が、もともとあった癖をさらに強力なものにさせている可能性が高いのです。
何か、「死にたい気持ちの原因なのか」という原因分析を先行させるより、まずうつ対策を実行してみましょう。その結果次の手を打てば良いのです。
たとえそれが病気(うつ病・統合失調症・アルコール依存症)でも、個人の癖や習慣に端を発する「死にたい気持ち」でも、とりあえず死にたいことには変わりなく、うつ状態に対する対処がその気持ちを緩和してくれるのです。
まずうつ状態に対処し、もしそれで問題が残っていれば、さらに対処を加える、これが現実的な対応なのです。
うつ病の症状は意思の力でコントロールすることはできない
死にたい気持ちは、うつ病の一つの症状として現れます。
たとえば、風邪をひけば熱が出ます。喉が痛くなったり咳が出たりします。頭が痛くなる人もいるでしょう。これらが症状というものです。
うつ病の症状は意思の力でコントロールすることはできません。風邪をひいている人に、不謹慎だから咳をするな、もっと気合を入れて熱を出さないようにしろ、などと叱っても仕方がありません。
ところが、うつ病の症状の一つである死にたい気持ちに対して、私たちは「そんなことを思うもんじゃない」などと言ってしまいます。症状に対して、本人を責める形になってしまうのです。
うつ病患者の家族が気をつけることや注意点についての解説です。
女性のうつ病の傾向・症状・原因・治療について考えましょう。
うつ病の治療・接し方・症状で再発の初期症状を早めに察知する
うつ病の治療・接し方・症状では、再発の初期症状を早めに察知することが大切です。
うつ病患者本人は気がつかなくても、家族や周りの人たちが指摘してあげる必要があります。
したがって、うつ病の治療法と対処法に関して初回の状況をよく思い出し、どんな症状から、どんなパターンで始まり、どんな経過をたどっていったかを認識し、同様な症状が再度出現したら、即座に主治医と相談している事が重要です。
うつ病の再発時の症状は、初回の病相の症状と同様のパターンをとる事が少なくありません。
初回の病相が不眠から始まった人は、再発においても不眠から始まる事がたくさん、食欲不振から始まった人は、食欲不振から再発している事が少なくないのです。