偏差値の高い学校を受験することを目指すことは間違ったことではなく、合理性がある、ということは事実ですが、それも含めて、学校の選び方についてのそれぞれの方針は一概に否定されるべきではないと思います。
しかし偏差値のわずかの差を絶対視することはあまり合理的なことではないでしょうし、また、現在の学びから逃避するような受験の仕方は、将来の負債となってくるおそれもあるでしょう。
資格や就職を重視することは、早いうちからの選択肢の絞り込みをすることであり、ひょっとしたらそれは可能性の切り捨てであるのかもしれません。
ただ、それぞれの選択をする際には、少なくとも大学や大学入試の現状がどうなっているのかを理解した上で選択するのが望ましいと考えます。
全国に七百以上の大学があり、高校生の半数以上が大学に進学する時代ですから、大学進学の意味も多様であり、大学の選択の仕方も多様であるはずです。
ですから受験の仕方や大学の選び方について「~でなければならない」や「~は好ましくない」といったセオリーに過度に敏感になることのない、もっとフレキシブルな受験の仕方もよいのではないかとも思います。